雪の城下町(1)

彼女は僕がかなり前にブログにアップした日記を読んでくれていた。
確かに、僕の標準的な施術手順には、お客様と入浴する行程が入っている。
しかし、彼女は紛れもなく緊張していた。
せめて風呂くらいは一人で入り、リラックスして頂くのがよかろう、そう考えて彼女に先に入ってもらった。

長い風呂だった。施術道具を並べ、使わない備品を邪魔にならない場所に移動し、
BGMを彼女が好きだと言った有線のモーツァルトチャンネルに合わせても、まだ上がってこない。
ベッドに寝転がって施術の段取りを考えていたところ、バスタオルを巻いた彼女が出て来て僕に声を掛けた。
そう。彼女は僕が一緒に入浴すると思って、浴室の中で待っていてくれたのだった。
僕は風呂場に急行した。

身長172cmあるという体は、モデルのようにスレンダー。
椅子に座らせ、両手に石鹸を付け、
背中・肩・腕・手・指先、背中・脇腹・腹・胸・乳.房、という順でゆっくり手を動かす。
壁の鏡が曇って表情が見えないのが残念だが、彼女の陶酔はその息遣いで分る。
それに呼応して僕のものも硬く勃起する。
浴室が寒くなければ何時間でも続けられただろう。

浴槽に浸かると再び長時間話し込んでしまった。
時間に限りがあるので彼女に先に上がってもらった。
浴室の扉が大きな一枚硝子なので更衣室が丸見えなのだが、
彼女は僕が脱ぎ捨てていた下着を畳んでくれていた。
よく気が付くヒトなのだ。

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